1次・2次産業振興プロジェクト
~後志の農水産業と製造加工業の連携~
1次・2次産業振興プロジェクトでは、地元小樽・後志地域で収穫された農水産物を原料に、小樽市内で加工・製造を行うことで付加価値を生み出し、地域経済を活性化させることを目的に各種事業を展開しています。
知産志食しりべしプロジェクト
後志(しりべし)は、山と海に囲まれた複雑な地勢から地域によって気候が異なるため、多種多様な農水産物が生産・漁獲され、北海道全ての農水産物が後志にあると言われるほど、食材が豊富な地域です。しかし、後志で獲れる農水産物が一般消費者に浸透しておらず、また、情報発信不足や物流コストの問題などで流通されずに製造加工業者や飲食店に活用されにくい状況にあります。当プロジェクトでは消費者や製造・加工業者等に積極的に活用してもらうことで、後志地域の活力を生み出し、その波及によって小樽経済の活性化につなげることを目的に“産地を知って後志を食す”ことを意味する「知産志食しりべし」の普及・啓発活動を行っています。
スタンプラリー
後志地域を巡り、後志産食材や地域の特産品の良さを知ってもらう取組みとして「知産志食しりべしスタンプラリー」を実施しています。
後志の食材を積極的に使っている後志管内の飲食店や、道の駅、市内市場、物産施設などを巡りながら、後志地域の旬の味覚を楽しみ、消費拡大につなげるために取り組んでいます。
食育授業
市内の小学校に講師を派遣し、後志産食材の魅力を伝える講話や調理実習を通して、子ども達に地元の食材を食べることの大切さを伝える食育授業を実施しています。
授業は二本立てで行い、講座では後志産食材の魅力や旬の時期、地元の食材を食べる事の大切さを学び、調理実習では実際に地元食材を使って調理することで、子ども達に食に対する興味や関心を持ってもらうとともに、キャリア教育の一助となることを目的としています。実施校からは「買い物や家庭での食事の場面で、食材の旬や産地を意識する生徒が増えている」といった報告をいただいています。
食の宝庫しりべしの夕べ
後志産食材の美味しさを多くの人に知ってもらい身近に感じてもらうため、生産者や料理人から旬の食材について直接説明を受け、旬の食材を使った料理と酒造業者やワイナリー代表らが選んだお酒との組み合わせを楽しんでもらうなどの一般消費者向けのイベント「食の宝庫しりべしの夕べ」を開催しています。
小樽美人
後志地域の農産物を使い、新たな価値を見出して産業振興に繋げることを目的に地域ブランド「小樽美人」を展開しています。
女性視点にこだわり、後志地域で栽培されていながら一般には流通していない梅を使った調査・研究を行い、平成25年に余市町・仁木町産の梅を100%使用した「梅酒 小樽美人」が誕生し、その後はプルーン、もも、アロニアを使ったリキュール酒、ニセコ町産の北海道酒造好適米を使った純米吟醸酒小樽美人を商品化しています。
スイーツでは余市産りんごを使った「和クレープ」、仁木・余市産ラズベリーを使った「生どら焼」、岩内町海洋深層水塩を使った「潮どら焼」、後志産いちごを使った「花ごろも」、仁木産プルーンを使った「カタラーナ」が商品化され、観光客や市民に向けた普及活動に取組んでいます。
また、スイーツの一部商品は、小樽市内のカフェ「大正硝子くぼ家」でイートインメニューとして提供しています。
にしん小樽漬
明治初期から大正時代にかけて小樽の繁栄を支え、歴史的に深い関わりを持っている「にしん」をキーワードに、小樽市内の水産加工業者7社(小樽かね丁鍛治、八丸堀内水産食品、大ト飯坂冨士商店、小樽入久三浦水産、丸一北川食品、NSニッセイ、小樽海洋水産)が、高付加価値商品の特産品として「にしん小樽漬」を商品化しました。北海道産にしん、数の子、昆布を使用するなどの基本ルールのもと、それぞれの伝統技術を駆使して現代風にアレンジした地域ブランド商品です。
地元民に愛される”本物の味”を追求し、異なる製法で造られた7種類の味をお楽しみください。
しりべしアグリツーリズム
後志地域にフードツーリズムを展開する取り組みとして、食材の生産現場を巡った後に、その食材を素材とした料理を楽しむ「しりべしアグリツーリズム」を平成27年から実験的に実施してきました。
現在は、NPO法人ワインクラスター北海道が事業化し、当プロジェクトが支援を行っています。
表彰関係
「知産志食しりべし」
- 農林水産省 第4回食育活動表彰 教育関係者・事業者部門 食品製造・販売者等の部「消費・安全局長賞」(令和2年度)
- 地産地消等優良活動表彰「食品産業部門」農林水産省食料産業局長賞(平成30年度)
- 北海道地区「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」選定(平成30年度)
「小樽美人」梅酒
純米吟醸酒「小樽美人」